衝撃吸収メタマテリアルの設計
(小島)
カーボンニュートラルの実現や航空宇宙産業のさらなる発展のために,輸送機器を代表とする構造物の衝突安全性能を支配する材料への要求は厳しくなっており,軽量で優れた耐衝撃性を有することが求められています。一方,近年のアディティブ・マニュファクチャリング(AM)技術の向上により,ラティス構造に代表されるような人工構造の集合体であるメカニカルメタマテリアルが注目されています。構成材料と構造の特性により,元の素材単体では持たない機械的性質を人為的に発現させて,自然界に存在する材料には無い特性を持たせることができます。本研究室ではこのメカニカルメタマテリアルの衝撃吸収への応用を研究しています。
衝撃現象において応力波が重要な役割を果たし,エネルギが波として材料の内部を伝播します。応力波の伝播を制御する構造を設計することで,航空宇宙やモビリティ分野における高速衝突や爆発事故などの被害低減にも適用可能な,超軽量かつ従来に無い優れた緩衝性能を発現する新規メタマテリアルを創製することを目指しています。